本研究は、大量調理施設衛生管理マニュアルの加熱条件を基に野菜のビタミンCの損耗率の違いを知ることを目的とした。試料は、給食でよく用いられビタミンCを多く含む赤パプリカ、キャベツ、ほうれん草を用いた。調理方法は茹で時間と蒸し調理(スチームコンベクションを使用)とした。加熱温度と時間は、75℃で1分間、75℃で3分間、90℃で90秒間、90℃で3分間とした。赤パプリカのビタミンC量は、生に対し全ての加熱条件で有意に低値であった。加熱時間が長く、温度が高いほど損耗率が高くなり、他の試料も同様の結果だった。調理方法については、試料により蒸し調理の方が茹で調理より損耗率が高かった。学校給食では生食より損耗率考慮の必要性及び食品成分表における蒸し調理データ収載の必要性が示された。
本人担当分:代表者として、計画立案、実験、データ分析及びまとめ等、本研究の本筋を立案した。
共同発表者:山田正子、細山田康恵