大量調理施設衛生管理マニュアルでは、調理において75℃・1分間以上、ノロウイルスの恐れがある食材を調理に用いる場合は85-90℃・90秒間以上の加熱をすることになっている。その高温加熱によりビタミン損耗が考えられたため、ニンジン等について、85-90℃・90秒間の加熱でビタミン損耗率を測定した。ニンジンのβーカロテンは、加熱温度及び調理方法による傾向は見られず、また損耗率が10%以上になるものはなかった。茹で調理で、ビタミンB1、及びビタミンB2の損耗率は高く、ビタミンCの損耗率も50%を超えているものが多かった。これらのことから、現在の食中毒予防を前提とした加熱条件においては、加熱による損耗が大きい水溶性ビタミンは不足することが危惧された。
本人担当部分:代表者として、計画立案、実験、データ分析及びまとめ等、本研究の本筋を立案し発表
共同発表者:山田正子、細山田康恵