その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 山田 正子
氏名(カナ) ヤマダ マサコ
氏名(英語) YAMADA MASAKO
所属 大学 家政
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

翻訳書、学会発表、講演、作品等の名称

しそ油とカカオポリフェノール摂取がラットのアディポサイトカインに及ぼす影響

単・共の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

2024/08

その他の分類

学会発表

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

日本脂質栄養学会 第33回大会(岐阜県、岐阜薬科大学)

概要

[目的] 脂質の過剰摂取は, 肥満・脂質代謝異常症など様々な生活習慣病の要因に繋がることが知られている。肥満や生活習慣病を食生活の面から予防できるか機能性食品を用いて検討することとした。今回は, n-3系脂肪酸を多く含有するしそ油や抗酸化作用を有するカカオポリフェノールに注目し, ラットの体内脂肪蓄積量やアディポサイトカインに及ぼす影響などを調べることを目的とした。
[方法] Sprague-Dawley系5週齢♂を用いて, 3週間実験飼料を投与した。飼料は, AIN-93組成に準じた基礎飼料に, 27%油脂区分を設け高脂肪食とした。油脂は, 対照群(Control群)を大豆油, 実験群をしそ油(Perilla Oil : PO)とした。一方にカカオポリフェノール(Cacao Polyphenol : CP)を添加し, Control群, PO群, CP群, PO+CP群の4群を設けた。実験投与終了後, 後腹壁及び睾丸周辺脂肪重量, レプチン, アディポネクチン濃度などの測定を行った。また, 肝臓組織は, HE染色後, 光学顕微鏡にて観察を行った。本実験は, 千葉県立保健医療大学実験指針に基づき,「動物実験研究倫理審査部会」の承認を得て行った。
[結果] 終体重はControl群よりPO+CP群で有意(p<0.05)に低値を示した。後腹壁脂肪重量はControl群とPO群よりCP群とPO+CP群で有意(p<0.01)に低値を示した。血清レプチン濃度はControl群よりPO群で有意(p<0.01)に低値を示し, 血清アディポネクチン濃度はControl群, PO群, PO+CP群よりPC群で有意(p<0.01)に高値を示した。肝臓組織の観察では, Control群よりPO群, CP群, PO+CP群で脂肪滴が減少していた。
[考察] 糞重量がControl群とPO群よりCP群とPO+CP群で高値を示し, 後腹壁脂肪重量がControl群とPO群よりCP群とPO+CP群で低値を示したのは, CPの脂肪蓄積抑制効果が現れたと考えられる。また, レプチン濃度はControl群よりPO群で低下し, アディポネクチン濃度はControl群よりCP群で増加を示したことから, 肝臓組織での脂肪滴の減少に繋がったと考える。
[結論] ラットにしそ油やカカオポリフェノールを摂取した際, 脂肪蓄積量が減少し, アディポサイトカインにも効果が見られ, 肥満予防に有用であることが示唆された。