冷凍すり身への糖類の添加は,凍結および加熱によるタンパク質変性の両方に対して保護効果があることが知られている.本研究では,「高糖濃度すり身」に焦点を当て,塩摺り工程中の温度がすり身のゲル形成能に及ぼす影響を調べた.糖濃度が6-14%のスケトウダラ冷凍すり身の重量に対して3%の塩化ナトリウムを加え,肉糊の温度が10-20 ℃になるまで擂潰した.所定の塩摺り温度まで擂潰して得た肉糊を30 ℃で1-6時間加熱して坐りゲルを調製し,調製した坐りゲルを破断試験に供した.その結果,高糖濃度冷凍すり身では,塩摺り温度を上げても坐りゲル形成能を維持した.これは,糖濃度を高めることで,凍結時の魚肉タンパク質の変性を抑制したのと同時に,塩摺り時の温度上昇に伴う,魚肉タンパク質の熱変性を抑制したためと考えられた. <!--[if !supportAnnotations]-->
著者:黒田萌恵、阿部洋一、阿部周司[責任著者]