エドゥアルド・デ・フィリッポにおける超自然の存在
日伊協会発行「日伊文化研究」第28号
20世紀後半において最もイタリア人に愛された演劇人であるデ・フィリッポは、古典喜劇の伝統を汲む俳優であると同時に、第二次大戦をはさむ動乱の時代を近代的視点で見据え、鋭い諷刺を込めた作品を書き、日本を含む諸外国でも高い評価を得ている。それらの作品のうち、幽霊など超自然的な要素を巧みに取り込むことにより、上質なウェルメイドプレイでありながら不条理的な要素を内包した得意な内容をもつものを分析し、デフィリッポ劇の特質に迫った。P.68~P.84