酵母による牛脂の生物学的改良

(社）日本食品工業学会第41回大会（東京農業大学）

牛脂は、ラードに比べて風味が劣ると共に、構成脂肪酸として飽和脂肪酸とモノエン酸が大部分を占めることから、極めて融点が高く、大部分の牛脂は、食用としては利用されずに、安価な工業用原料とされているのが現状である。本研究では、牛脂の有効利用を目的として、酵母を用いることにより、牛脂から飽和油脂の中でも付加価値の高いカカオ脂を作製することを試みた。Candida lipolitica IAM4948から抽出した脂質は、オレイン酸が21～23％、ステアリン酸が35～42％、パルミチン酸が23～33％と、カカオ脂の脂肪酸組成に近い組成を示した。
共同発表者：遠藤泰志・瀬戸美江・藤本健四郎・杉谷善信・扇元敬司