先行研究で最初に入れる調味料で全体の9割の味を決めていることが確認されたので、今回は大学生を対象に、最初と最後に調味する「調味2回」の調味方法で、「自由に調味」した時と「最初薄めに調味」した時の4種類の煮物の糖分・塩分濃度を検討した。また「汁で味見」した時と「食材で味見」した時の4種類の煮物の糖分・塩分濃度を調査した。さらに、大学生の保護者を対象に、味見をしながら調味する「味見あり」と味見をしないで調味をする「味見なし」の2種類の方法で調理をしてもらった。その結果、「最初薄めに調味」をすることで、「自由に調味」するより糖分・塩分濃度が低くなり、大根の煮物、ひじきの煮物の糖分濃度で有意差が認められた。また、「汁で味見」をすることにより、糖分・塩分濃度が低くなり、肉じゃがの糖分濃度で有意差が認められた。さらに「味見あり」で調味することにより、肉じゃがの糖分以外で糖分・塩分濃度は減少し、大根の煮物の糖分濃度で有意差が認められた。煮物では「最初薄めに調味」し、「汁で味見」をすることで糖分・塩分濃度を減少させられることが示唆され、味見の必要性が確認された。共同発表者:有泉みずほ、澤田崇子、瀬戸美江 掲載頁:p.55