水産食品等の高度不飽和脂肪酸を多く含む食品においては、酸化の第一次生成物であるヒドロペルオキシドは比較的不安定であるため、酸化が進行しても一方的に蓄積することはなく、POVでは酸化を適切に評価できないことが示唆されている。そこで、酸化の進行が速いといわれるマイワシを用い、食品の酸化的劣化度の有効な評価法を検討した。着色度と有機溶剤抽出後の残渣(粉末)の蛍光は、酸化の進行に伴って増加を続けた。すなわち、これらの測定は、簡便な操作により、酸化の初期から後期にわたるまで、酸化的劣化度を継続的かつ総合的に定量することのできる非常に有効な評価法であると考えられた。(共同研究につき本人担当部分抽出不可能)
共著者:瀬戸美江・藤本健四郎