減塩のポイントとして、「淡口醤油より濃口醤油を使う」と記載されている。これは、100g中の食塩相当量が、濃口醤油が14.5g、淡口醤油が16.0gのためである。そこで今回は、まず、煮物調理における淡口醤油と濃口醤油の使用実態に焦点を当て、次に、糖分量が塩分量に及ぼす影響を検討することにした。
大阪は全体の半分の家庭に淡口醤油があることがわかった。「肉じゃが」、「かぼちゃの煮物」、「大根の煮物」、「ひじきの煮物」の4種類の煮物を、大阪は淡口醤油、東京は濃口醤油を使用して作ってもらったところ、糖分濃度は、「かぼちゃの煮物」以外で東京より大阪の方が高く、塩分濃度は、すべての料理で大阪の方が高いことがわかった。80食の糖分濃度と塩分濃度の相関関係を調べたところ、強い正の相関が認められ、先に入れる糖分量が塩分量に影響することがわかった。今回の結果から、煮物調理においては、先に入れる糖分量を減らすことが、減塩の一つの方法になるのではないかと考えられた。(共同研究につき本人担当部分抽出不可能)共著者:有泉みずほ・澤田崇子・瀬戸美江