経済のグローバル化による競争の激化は日本に限らず世界の至る所で貧富の格差を広げ、働いても日々の生活に困窮する々、いわゆるワーキングプアを大量に作り出しました。さらにサブプライムローンの破綻から始まった深刻な経済危機が雇用状況を悪化させ貧困化に追い打ちをかけています。
今年の国際女性デーは、これまでの格差社会や貧困をめぐる言説の中で忘れられてきた困窮する女性たちに焦点をあて、日仏比較の視点から、貧困と差別の問題にアプローチします。
このシンポジウムは、日仏会館研究センターの研究プログラム(2009年~2012年)における第一研究領域「社会的な排除と包摂」の一環として行われます。
第一部 :「女性の貧困:現状と構造的原因」
司会:石田久仁子(日仏女性研究学会)、 辻山ゆき子(日仏女性研究学会)
カトリーヌ・シモン(ルモンド記者)-「貧困・不安定雇用の女性たち、メディアの視点」
いちむらみさこ(ホームレス・アーティスト)-「路上生活から見えること-ノラの活動と246キッチン」
*構造的原因: フランス、日本
ソフィ・ポンティユ(国立統計経済研究所 エコノミスト)-「フランスの女性の経済的依存と貧困」
大沢真理(東京大学)-「再配分が作り出す貧困大国ニッポン」
第二部 :「女性の貧困化にどう立ち向かうのか」
司会:中嶋公子(日仏女性研究学会)、ダヴィッド=アントワーヌ・マリナス(日仏会館特別研究員) パネルディスカッション