「移民第二世代とフランス的国民統合」
『フランス教育学会紀要』
移民第二世代の社会運動は、伝統的なフランスの国民統合論理にどのような変化をもたらすのだろうか。本稿では、フランス的国民統合の論理とその破綻を取り上げ、移民第二世代の社会運動の展開を整理する。彼らは、近代的市民社会の価値に基づきながら、そこからはみ出てしまう人々をも市民として認知させようとしている。ただ彼らの社会運動は自由主義的個人主義の戦略と、集団的な閉じこもりの戦略に引き裂かれがちである。