「フランスの移民家族」
『名古屋聖霊短期大学紀要』
フランスは独特の国民統合の論理を持っている。19世紀後半以来、来仏した移民たちは、その独特の「近代的」国民統合の論理によって、フランス国民となっていったといわれる。移民の家族はフランス独特の国民統合の論理に出会って、移民の核家族化、親子の葛藤、子どもの教育、結婚などにおいて、近代的価値観と出会う。しかし現在は、その国民統合論理の正当性の揺らぎとその破綻が問題となっている。