植物のイメージはH.D.のイマジズム詩における五感的イメージに関連している.H.D.のイマジズムは、パウンドやウィリアムズといった他のイマジストたちの作品における、視覚的効果を重視した客観的リアリズムと区別できる。H.D.の作品では、自己を対象に没入させて主体が客体と一体化することにより、読者を詩の世界へ引き込み、参加させる.他のイマジスト達が客体と主体との距離を保ち、絵画的、性的なイメージを強調したのに対し、H.D.は主体と客体の距離を縮め、動的かつ全感覚的なイメージを作り出したのである.本研究では、このようなH.D.のイマジズムの特性について作品分析を交えながら考察する.