アメリカ合衆国の州憲法にみる政教分離原則と学校選択制
聖徳大学児童学研究所「児童学研究」第6号 P9-P13
1990年代以降のアメリカ合衆国最高裁裁判所の、政教分離原則に関わる私立学校への政府資金の拠出あるいは環流に関する判決は、受益者である児童生徒の利益に資するものとして、所得控除・税額控除のみならずバウチャー制度についても許容傾向にある。しかしながら、各州で学校選択制度の進展に温度差がある。州憲法の政教分離規定を比較検討し、その厳格性と州最高裁による州憲法の政教分離規定解釈が州政府の学校選択制の政策動向に大きく関与していることを明らかにした。