アリゾナ州における教育行財政システムの改革動向-1997年の税額控除(tuition tax credit)プランに着目して-
聖徳大学人文学部「研究紀要」第12号 P23-P30
本論では、1990年代のアメリカ合衆国における教育行財政改革の動向を整理し、特に州所得税の税額控除プランの政策創出・実施をとおして、公立学校のみならず私立学校をも含んだ学校選択が進行している状況を分析した。さらに、控除を受ける納税者が、寄付行為先の私立学校奨学団体や各公立学校を自主的に選択できるシステムは、税収入が住民による直接の再配分を意味し、新たな住民統制が公教育制度の中に醸成されていることを示唆した。