19世紀のセントルイスにおける公立幼稚園制度の維持・存続過程に関する一考察
聖徳大学児童学研究所「児童学研究」第3号 P97-P105
本論は、1873年にアメリカ合衆国初の公立幼稚園を導入したミズーリ州セントルイスに焦点を当て、公立幼稚園制度の導入の政治的・経済的要因を分析し、同市のドイツ系移民の影響力が大きかったことを検証した。また皮肉にも文化維持への強固な意識(フレーベル主義への固執)が、その後の幼児教育の内容と方法の硬直化を招いたことを、教育委員会年次報告書を検討し明らかにした。