19世紀におけるシンシナティ公立学校制度への二言語教育の導入と展開
東北大学教育学部教育行政学・学校管理・教育内容研究室「研究集録」27号P59-P71
本論では、1840-1917年にアメリカ合衆国オハイオ州シンシナティで実践された公立学校における英独語の二言語教育の導入・廃止の経緯と実践状況を説明した。特に、19世紀末には住民の50%以上を占めるようになったドイツ系移民子弟のために導入されたドイツ語の授業が発展し、公立小学校において同じ教科について英語による授業とドイツ語による授業が午前と午後に分かれて実施される二言語教育システムに整備される過程を、教育委員会の年次報告書を詳細に分析した。