セントルイスにおける教育長職の権限拡張過程-公立学校のルター派教区学校との競合をとおして-
教育史学会「日本の教育史学」第37集P189-P203
教育委員会制度の運営原則であるレイマンコントロールとプロフェッショナルリーダーシップの確立は、19世紀末のアメリカ合衆国での教育長職の権限拡張に始まる。本論では、他地域に先駆けて教育長の権限集中が実現したミズーリ州セントルイスを取り上げ、ドイツ系移民の教育委員会への政治的影響力を分析しつつ、その要因にルター派の教区学校との児童生徒争奪戦の中で発揮された教育長の高度な専門性があったことを明らかにした。