香港の就学前教育におけるバウチャー制の導入
和光大学現代人間学部紀要 第5号 P39-P51
2007年度に香港で導入された就学前教育バウチャーは、義務教育開始前の幼児がいる家庭に、授業料を一定額配分して自由に幼稚園を選択させる制度である。香港の就学前教育機関は私立のみで、同制度により授業料額の範囲も限定され、家庭の財政的負担は減じた。さらに、バウチャーの一定額は勤務する教員の研修や資格取得に使用されることが義務付けられ、その専門職性の向上が図られている。香港の殆どの幼稚園が制度に参加し、あわせてカリキュラムの標準化が整備されて、幼児の教育機会均等化が達成されようとしている。