19世紀のメイン州におけるtown tuitioning制の確立過程
共立女子大学国際学部紀要「共立国際研究」 第28号 P87-P103
19世紀のメイン州で採用、整備されたバウチャー制度の一種、town tuitioning制度の導入の背景、経緯を明らかにした。西部への人口流出による過疎化、仏語を固守するフランコアメリカンの存在と公立学校への参加の忌避、経済の停滞が、公立学校制度の発展を妨げ、私立学校の温存と準公立化ともいうべき州政府の資金補助を招き、ひいては過疎地の子ども達への学校選択の自由を認めて、公立学校の設置運営が不可能な地方自治体への子ども一人当たりの教育費給付に至ったことを説明した。