本研究の目的は,母親と保育者が子どもに対して行う身体接触にどのような特徴があるのか,また,子どもの情動場面によって母親と保育者の身体接触は異なるのかを明らかにすることである。0歳児から5歳児クラスの母親と同一園に勤務する保育者を対象とし,母親には自分の子ども(保育者は自分のクラスの子ども)に対して行う身体接触を尋ねた。その結果,1歳児群の母親は他の年齢群の母親より身体接触をする人が有意に多く,それに対して,1歳児群の保育者は他の年齢群の保育者より身体接触をする人が有意に少ないことが明らかになった。さらに,母親と保育者では1歳児に対して行う身体接触が子どもの情動場面によって異なることが示唆された。