「保育者のピアノ伴奏に合わせて子どもが歌う」これは間違いなく保育現場で数多く行われている活動である。そのため、保育者養成課程における効率的なピアノ指導の方法については、これまでも数多くの研究が積み重ねられてきた。一方、保育現場では子どもたちの多様な表現を支えるために、目の前の子どもの姿に合わせて、鍵盤楽器の伴奏を変化させることが求められる。このような課題意識に基づき、本研究では、既存の楽曲を、学生自身が編曲し、演奏した事例を取り上げ、学生の編曲作品がより豊かに演奏されるよう意図して行ったピアノ実技の指導内容について、考察するものである。