これまであまり焦点の当てられてこなかった低年齢児と楽器とのかかわりについての検討を試みる。多くの楽器に対して「音を出すためのモノ」という概念がまだ曖昧な時期と考えられる年齢の子どもは,それらの楽器に対してどのようなかかわり方をするのであろうか。具体的には,2歳児の楽器を用いた自由遊び場面の観察を通して,2歳児の楽器へのアプローチ方法や扱い方の特徴を明らかにしたものである。結果として,①多様なかかわりと探索を保障する環境の重要性,②モノ(楽器)を選定する際の視点,③乳幼児はモノ(楽器)や音を介してひとととかかわる,という3点が明らかになった。