教育方法の実践例

基本情報

氏名 橋川 俊樹
氏名(カナ) ハシカワ トシキ
氏名(英語) Hashikawa Toshiki
所属 大学 国際
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

年月日(開始~終了)

1996/04 ~ 現在

事項

学外・課外における調査や資料発見を重視する授業

概要

共立女子大学国際文化学部国際文化学科の学部共通科目「基礎ゼミナール」や日本コースの二年生必修科目「日本文化文献・資料講読」において、これらの科目が最終的には良き「卒業論文」を学生が書けるようにするという目的を持つことを考え、論文作成に必須といえる情報収集能力と判別能力を高めることを重視している。自分の大学の図書館や情報処理室を活用することは当然のことであるが、学外の大図書館や専門図書館、大書店や専門書店を活用することも重要である。また、学課時間中のみで論文やレポートを作成することはほぼ不可能であり、課外時間や休日をどう活用するかがきわめて重大である。つまり、論文・レポートの作成に必要な情報を書籍・雑誌、インターネット、視聴覚メディアなどからいかに無駄なく、豊富に取得できるかが問われることになる。具体的には、必要な資料が何で、どこにあるか検索し、また判断し、それらをすばやく手軽に入手するにはどうすればいいかを考える力を養う必要がある。 授業では、使用するテキストの性質に合わせて(私の場合は文学作品が多い)、テキストに登場する言葉・人物・事柄などの中から、重要な・特徴的な、あるいは現在では理解しにくいものを選ばせ、それについて受講者が自分の力で調査し、要点をまとめてレポートにする。口頭発表も課すことが多いが、その評価で重要なことは、報告者がその調査や文章作成のためにどんなアプローチ方法を考え、実践し、またどんな困難があってどのようにそれを乗り越えたか、という点である。時間的・金銭的な面や、交通の便など、文献や資料の発見にはさまざまな困難や犠牲がともなうものである。また、選ぶテーマによって難易度は不ぞろいになりやすい。選んだテーマ、受講者の時間的・場所的・経済的な余裕の有無などを勘案し、結果を評価することは難しいものではあるが、やはり努力して困難を克服した跡の見えるレポートが内容も伴っている場合がほとんどである。学生の方も、事後の満足感が高いらしく、「学生評価アンケート」も好結果を得ている。