2008年度でなくなる「日本の映像と文学」や、「映像文化論II」などは、主に映画というジャンルに焦点を当てて授業を行なったが、この場合、通常よく行なわれる、映画やその一部の〈見せっぱなし〉は極力避けるようにしていた。映画は30分ぐらいの場面でも続けて見せられた学生は、授業そのものへの集中力が減退するのが常である。何のために、どこを、どのようにして見るべきかを、あらかじめよく理解させておいて、鑑賞後すぐに質問の答えなり意見なりを書かせるようにした。短い時間の間に、映像のどこに焦点を当て、何を見るべきかを感得させることが重要である。教養科目の「メディアと文化」のような科目で主題や対象の理解のために映画や映像資料を使用するときにも同じことが言える。