その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 橋川 俊樹
氏名(カナ) ハシカワ トシキ
氏名(英語) Hashikawa Toshiki
所属 大学 国際
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

翻訳書、学会発表、講演、作品等の名称

『野分』論 ―「青年問題」をめぐって―

単・共の別

単著

発行又は発表の年月

1981/09

その他の分類

学会発表

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

筑波大学国語国文学会

概要

夏目漱石が1907年1月に発表した中編小説『野分』を取り上げ、主に1905・1906年頃に社会問題となっていた〈青年の「煩悶」問題〉との関係を論じた。この小説の主人公のひとりで、大学を卒業したばかりの高柳周作は、文学で身をたてようという野心を抱いているが、貧困と病気のために失意の中にいる。この設定は、肉体的にも精神的にも虚弱で、思想的・宗教的「煩悶」ばかりしていると世間から見られていた現代青年像を反映させたものである。発表では特に、新聞や雑誌の記事や特集をもとに当時の「青年」が具体的にはどんなふうに映り、どんな解決策が提示されていたのかを調べることで、漱石の「青年」に対するスタンスの取り方を探り、この作品ではどんな希望や解決策をもたらそうとしているか、について考察した。