『明治文学管見』 ―「快楽と実用」を読む―
「稿本近代文学」第8集
明治26年に書かれた『明治文学管見』は、本来の題名は『日本文学史骨』といい、北村透谷が意図した大きな『日本文学史』の試みの一部と見られる。現代の明治から始めて近世・中世・古代へとさかのぼる計画だったのだろうが、明治文学史の初期に触れたところで終わっている。その序論ともいうべき「快楽と実用」の章は、透谷による文学言論というべきものであるが、その意図と意義を読み解こうとしたもの。 53頁~60頁