日本を含めた世界の「映画の70年代」を考察する論稿の第三編。今回は、<アメリカン・ニューシネマ>についての再考。その代表作「イージー・ライダー」とインディペンドの製作者ロジャー・コーマンとの関わりを契機として、<疎外されたアンチヒーロー>像の重要性を指摘し、その代表的俳優としてジャック・ニコルゾン、アル・パチーノを取り上げて考察した。ジャック・ニコルソンについては「ファイブ・イージー・ピーセス」、「カッコーの巣の上で」など、アル・パチーノは「スケアクロウ」、「ゴッドファーザー」を中心として、彼らが演じた70年代の青年像について論じた。