世界の映画状況の中での日本映画の位置づけを1970年代を中心に考察する論稿の第二編。今回は、1970年前後の日本映画について考えた。当時、非常に流行した、座頭市の勝新太郎、侠客ものの高倉健、寅さんの渥美清などを中心に、アメリカン・ニューシネマのヒーローと同様に、社会からはずれた、いわゆるアウトローと呼びうる主人公の描かれ方について検討した。それぞれのキャラクターについて、ある程度までは考察を進めることはできたが、それが1970年代の日本の映画状況にどうコミットしているかまでは検討できていない。より詳細な続編が必要である。 1頁~14頁