近年、高齢者にも多く適用されている胃瘻栄養法に限定し、その効果と課題について、看護師へのインタビューと訪問看護ステーションへの質問紙調査を実施した。その結果、インタビューでは、誤嚥性肺炎のリスクの軽減、経口摂取との併用のしやすさ、外観がきれいに保たれることなどの患者にみられる効果のほか、施設入所や在宅復帰しやすい、などの本人以外の要因で胃瘻が選択されている現実もあった。その中で、高齢者自身の意向確認が保留されたまま胃瘻造設が進められることへの違和感も語られていた。一方、アンケートでは、調査時点から振り返り1年の間に死亡した胃瘻造設高齢者の36%が3年以上、胃瘻栄養法の適用を受けており、今後、胃瘻造設をもちながらどのようによい終末期を過すかという課題も示唆された。
A4版47頁