『古代の歌 アジアの歌文化と日本古代文学』
瑞木書房
本書はまず近代以降の歌垣研究史を論じ、現在求められる歌垣研究の方法の一つとして、生態論的研究が必要であることを主張する。その上で、筆者がフィールドワークを行っている中国少数民族モソ人、ペー族の歌掛けを分析しつつ、歌掛けの原理を追及し、さらに日本古代文学において、歌掛けの論理がいかに用いられているかを古事記論、万葉和歌論として論じたものである。なお、イ族の葬儀における葬歌や哭歌の第一次資料とその分析を加え、古代日本の葬歌、挽歌論をも目論んでいる。(p0~708 )