アジア辺境国家の歌表記―中国雲南省ペー族「山花碑」と万葉和歌の比較を通して―
『日本文学』691号
中華の東の辺境に位置した日本が古代国家を形成するのとほぼ時を同じくして、西南の辺境である雲南省大理には南詔王国が形成された。両国家はともに漢字を用いて自民族の言語を表記する漢字文を用いて、それぞれの歌を表記している。本稿は、南詔に端を発するペー族の歌表記の工夫を、明代の「山花碑」により具体的に抽出し、万葉和歌の表記のあり方との比較を試みたものである。(p2~14)