「鞫・E自我苦諱シ的方式」(個の苦悩を脱する技)
「思想謌倡コソ」2000年第二期26巻
本稿は中国少数民族モソ人の歌掛けにおける嘆きの恋歌に注目し、個的な苦悩が歌を通して克服されていくシステムを論じたものである。すなわち、嘆きの恋歌は日常と隔離された「遊びの場」で虚構の現実として享受されているが、歌い手はそこに自らの個的な苦悩を重ねることによって、それを対象化し「遊んで」しまうというシステムである。(p111~115)