「万葉集相聞歌の表現にみる歌垣歌的性格」
「古代研究」第24号
万葉和歌には「道の草が生い茂る」という類型表現が、田辺福麻呂歌集歌(6-1048)などに認められるが、それらは男女や生者と死者との分離を示している。本稿はこれと類似する類型表現が中国少数民族ミャオ族の歌掛け歌に用いられていることに注目し、このような類型表現が歌垣などで繰り返し歌われるなかで定型化し、それが万葉和歌に持ち越されていると述べる。(p49~61)