共立女子大学国際学部(国際文化学部)で担当する「国際関係概論」、「国際関係史I・II」、「アメリカと国際関係I・II」、「国際社会基礎演習」、「アメリカの政治」、「アメリカ文化演習」、等の授業において実施した。
・上記の「必読文献(書籍)と課題・レポートの組み合わせ」の実践を行う際、受講生に10項目の課題評価の基準を含むチェックリスト(課題提出用の表紙を兼ねる)を配布している。受講者は課題提出をする際、この10項目についてA、B、C3段階の自己評価を行う。教員の採点も同様の基準で行い、できる限りの添削も行って返却している。
・提出課題がD評価を受けた場合には、受講者は、再度、評価基準に適うように課題を書き直し再提出することが認められる。C以上の評価でも、よりよい成績とするために再提出は認められる。いずれの場合も、教員は再提出された課題を再度採点・添削して返却している。
・採点基準の明確化と自己評価制度の導入により、文献の読み方の不十分さや課題の欠点を自己認識することにつながっている。課題を2度(以上)は提出するので、2度目のときには受講者全体として提出課題の質が大きく向上するという効果が必ず生まれている(採点、添削も楽になる)。
・再提出制度も毎回多くの学生が利用している。ほとんどの場合、再提出された課題の成績は向上しており、文献の読解力の向上、議論の仕方や論文の書き方を修得することにつながっている。
・唯一の問題は、教員の側の負担が非常に大きくなることであるが、それに見合うだけの効果はある。受講者の負担も大きいが、在学生・卒業生共通して、課題を提出することの大変さを自分が大学でよく勉強した例として、またよき思い出として語ってくれることが多いのも成果である。