母性看護学実習における効果的な実習を検討するため、実習施設3か所で実習指導者である助産師5名を対象に、学生の自己評価に及ぼす影響について半構造化面接を実施した。最近の学生の特色として、「受け身」「積極性が不足」「聞かないと答えない」「グループ間のコミュニケーション不足」が挙げられ、受動的な傾向が見受けられた。このような学生に対し指導者は、母性看護に「興味を持ってもらえる」働きかけや、学生が「褥婦とのコミュニケーションがとれる」きっかけをつくるという関わりをしていた。また実習指導者は、アセスメントの弱い学生について「言葉に表して人に伝えられた」ことが、学生の自己評価に影響すると考えていた。さらに学生の知識や情報が、実際の「母子と関わることで整理される」と自信や達成感につながる要因となること、「褥婦との関係性がよいと達成感につながる」ことが語られ、実習指導者の指導が学生の実習における自己評価へ影響していると考えられた。
(共同研究者:藤井智恵美、和田佳子、岸田泰子)
担当部分:データ収集,分析