少子化に影響する要因の1つと考えられる若者の性行動や生殖性に関する意識を明らかにし、これから子どもをもつ世代の特徴を踏まえた青年期への支援を検討することを目的として大学生男女を対象に調査を行った。女性974名、男性226名から有効回答が得られた。男女の生殖性についての意識を比較したところ、女性の87%、男性の89%の者が「将来子どもが欲しい」と考えていた(有意差なし)。女性の方が健康上の理由で子どもができないかもしれないと考えることがある者が多く(p<0.001)、男性の方が仕事や経済的理由など社会的な要因で子どもをもつことができないかもしれないと思う者が多かった(p<0.05)。性に関する相談の有無では男女ともに3割弱の者が相談経験を有し、女性の月経に関する質問では、3割弱の女性が月経は順調でないと認識し、男女とも約6割の者が、学校教育でもっと妊娠、出産、不妊に関する教育が必要であると答えた。大学生らの子どもをもつことへの希望は高く、また不妊症の場合、可能な治療は受けたいという希望も過半数あり、個々の希望にそったライフプランを尊重した支援の検討が望まれる。