母性看護学実習における効果的な教育実践の示唆を得ることを目指し、母性看護学実習での看護学生の実習体験が自己評価と満足感に及ぼす要因について質的に検討することを目的として、母性看護学実習を終了し、研究の同意が得られた看護学部3年生の女子学生5名を対象に、半構造化面接を実施した。結果、看護学生の母性看護学実習による実習体験が自己評価におよぼす要因に関して、39コード、18サブカテゴリー、8カテゴリーが抽出された。学生は、「対象者への敬意を持った接し方」、「看護過程の展開ができたことによる理解の深まり」、「褥婦の心のケアの難しさ」が自己評価に影響すると挙げていた。さらに、「教員から否定されない関わり方と教員がいることの心強さ」、「スタッフの対応による実習の充実感」、「実習前に演習ができた安心感」、「妊産褥婦との関わりからケアにつながった自信と満足感」、「生命の誕生と児の生命力の実感」が実習の満足感につながっていた。
(共同研究者:和田佳子、藤井智恵美、岸田泰子)
担当部分:データ収集,分析