第三者の関与を伴うARTに関して、医療消費者の体験や意見を調査し、今後の看護のあり方を考察することを目的とし、国内でインターネット調査を実施した。日本に在住する30歳から49歳の男女で不妊治療経験のある者(男性は、パートナーが不妊治療経験のある者を含む)を対象とし、618名から回答を得た。
対象者の平均年齢は39.3歳、不妊治療期間は平均2.4年であった。海外でARTの経験があったのは男性24名(4.5%)、女性4名(0.3%)であった。希望はあっても利用しない者男性36名(11.7%)、女性13名(4.2%)、希望しない者は男性197名(63%)、女性249名(80.6%)であった。期待する支援は、経済的支援と精神的ケアが最も多くあげられた。不妊で悩み、多様な治療による患者が増えている。第三者の関与を伴うARTに対して倫理的問題はあるが、それを選択する患者は少数だが存在する。偏見なく看護を提供し、また不妊治療経験者の多くは精神的ケアを望んでいることを踏まえてケアする必要がある。
(共同研究者:Y.Kishida, M. Yamaguchi and I. Morioka)
担当部分:データ収集,分析