核家族化が進行する居住地で妊産婦が孤立せず、健やかな周産期を過ごせる場(以下、妊婦サロン)の提供を目指し、千代田区の協力のもと、妊婦サロンを企画運営し、評価を行った。助産師である看護系大学教員3名と看護学生がともに運営した。参加対象は、都心部に居住する妊婦であり、月1回2時間程度、全7回実施した。協力の得られた妊婦16名の感想、フィールドノート、運営協力をした看護学生26名から得られたレポート内容を基に評価した妊婦の「個」のレベルで、母子保健の向上には役だったが、集団としての評価には長期的視野が必要である。また妊婦同士の「仲間づくり」という点では、十分な結果が得られず、仲間を意識させる継続的参加につなげるための工夫が必要である。