出産体験と児への愛着との関連を知り、分娩時および産後ケアの一助とするため、産褥早期の母親79名を対象として調査を行った。
質問項目は属性と出産体験尺度(竹原ら)、児への愛着尺度(大村ら)、自由記載とした。対象者の平均年齢は32.1歳であった。出産体験と児への愛着の間に相関関係は見られなかった。
初産婦、経産婦ともに、分娩体験の中で「幸福因子」は他と比べて低いことから、これを高めるケアが必要である。また児への愛着は初産婦、経産婦共に非常に高く、出産体験と愛着の直接的な関連はみられず、母親は出産体験に限らず、良好な愛着形成をしていたことがわかった。