ARTが一層進んでいる現代において、第三者が関与するARTに関する日本国内の医療消費者の体験と意識を明らかにし、今後の看護のあり方を考察することを目的として、日本において、第三者が関与する高度生殖医療に対する意識について、国内に1,000万人以上のリサーチ対象を有する調査会社に依頼し、ウェブ調査を実施した。
対象は不妊治療経験のある成人男女各309名と不妊治療経験のない女性309名とした。また年齢を30歳代~40歳代に限定した。
実際に海外で第三者が関与するARTを利用した者(男性の場合はパートナーの利用を含む)は男性21名(6.8%)、女性4名(1.3%)であった。
一般論として第三者が関与するARTについて認めてよい、あるいは条件付で認めてよいとの回答が半数近くを占めていた。特に代理出産は認めてよい、条件付で認めてよいをあわせた容認するものが最も多く、60%近かった。認められない、と答えたものが20~30%、わからないとの回答も20%近かった。一方で、自分のこととしてはいずれのARTについても、利用したくない(と思った)ものが圧倒的に多く、女性のほうが有意に多かった。
国内での実施が難しい方法であっても、不妊治療経験者は約半数、もしくはそれ以上が容認の傾向であることを理解し、偏見をもたずに接する必要がある。