2017年度に開設した妊婦とその家族のためのサロン(通称「妊婦サロン」)の活動の2018年度の評価を行った。
アクションリサーチであり、助産師である看護系大学教員と看護学生が運営している。対象は、千代田区近辺に居住する妊婦15名であり、2018年度は月1~2回2時間程度、全10回実施した。サロンの内容は妊婦同士の交流、保健相談、育児技術指導、マタニティヨガ、マタニティコンサート、調理体験などを企画した。協力の得られた妊婦への質問紙調査の結果を基に評価した。調査項目は属性、参加前後の妊婦快適性、参加による目的の達成度(Visual Analogue Scale、以下VAS)、参加後の満足度(VAS)などである。参加者の平均年齢は33.9±5.4歳、初妊婦12名、経妊婦3名であった15名の妊婦の参加前後の快適性は、初回参加前の平均点163.9±27.0、参加後は173.7±27.6であった。Wilcoxonの符号付順位検定により、参加後の快適性が有意に高かった(p<0.01)。また、参加後の達成感は平均点9.1±0.8点、満足感は9.5±0.7でいずれも高い評価が得られた。初回参加前後での快適性の上昇は認められたが、妊婦サロンへの複数回の参加による快適性の変化は認められなかった。これには、参加した回の内容や妊娠週数の違いによるマイナートラブルの程度が影響していると考えられた。