育児期間中の夫婦の特性を考慮した育児支援の一助とするため、日本において、妊娠期から育児期にわたる縦断調査を実施した。その中から夫婦がはじめて出産したときの満足感がその後の夫婦関係や子どもへの愛着感情に影響するか否かを縦断的に明らかにした。本研究では、出産後4カ月~3年までの4回の質問紙による縦断調査の結果を分析した。分析対象者は出産後4カ月時608組、生後1年452組、生後2年267組、生後3年173組の夫婦である。女性の出産の満足感と夫婦関係では、夫婦ともに出産後4カ月、出産後1年に正の相関が見られた。一方、出産の満足感と子どもへの感情では、妻のみ出産後4カ月に正の相関がみられた。満足のいく出産体験となるような支援を提供することが新しい家族の形成に重要であることを確認できた。
(共同発表者: Y Kishida, K Kubo, K KuramochiT Tamura)
担当部分:共同研究につき本人担当部分抽出不可能