少子化対策の一助として、少子化に影響する要因の1つと考えられる若者の「生殖性」と「次世代育成力」に着目し、青年期男女における実態調査を行った。また少子化対策先進国であるスウェーデンとの国際比較を行うことにより、日本の青年期におけるリプロダクティブ・へルスケアの課題を抽出することを目的とした。データを比較分析したところ、日本の大学生の約9割が、結婚や子どもをもつ願望を有しており、日本の大学生はスウェーデンの大学生より結婚希望平均年齢(p<0.001)、第1子を希望する平均年齢(p<0.01)とも低かった。そして日本の大学生はスウェーデンに比べて、将来の生活についての計画性や親になることへの自信が低かった。日本において、若者がリプロダクティブ・ライツ(reproductive lights)を行使できるような情報提供と次世代育成力を意識した教育的介入を、学校組織と連携し、看護職者の立場から実施することが必要である。