母性看護学実習における効果的な教育実践の示唆を得ることを目指し、母性看護学実習での看護学生の実習体験が自己評価に影響する要因について検討した。研究の同意が得られた看護学部3年生5名を対象に半構造化面接を実施した。分析の結果、自己評価点に影響する要因として、【看護過程の展開ができたことによる理解度の深まり】、【褥婦の心のケアの難しさ】、【対象者への敬意をもった接し方】の3カテゴリーが抽出され、実習の満足感に影響する要因として、【実習前に演習ができた安心感】、【妊産褥婦との関わりからケアにつながった自信】、【教員から否定されない関わり方と教員がいる心強さ】、【スタッフの対応による実習の充実感】、【生命の誕生と児の生命力の実感】の5カテゴリーが抽出された。母性看護学実習における実習体験が自己評価を高める要因として、実習の準備性、知識に基づいたケアの実施、教員やスタッフといった人的な要因が明らかになった。
(共同研究者:和田佳子,藤井智惠美,岸田泰子)
担当部分:データ収集、分析