須磨に向かう光源氏
『共立女子大学文芸学部紀要』第52集
本論文では、須磨を流離した光源氏ではなく、須磨に向かう(道中)の光源氏の姿に焦点をあてた。須磨への導入部(道行)に平城天皇の子孫たちの影が読み取れることを指摘し、きわめて絶望的なコードで描かれていることを明らかにした。また、叙述が二重方法であることに着目し、須磨に行くまでの時空間について触れた。