〈山がつ〉めく光源氏ー須磨流離の姿ー
大阪大学古代中世文学研究会『詞林』
須磨巻における光源氏の姿を「山がつ」を中心に考察した。山がつ「めく」というところに語り手から見た源氏に対する畏怖の念を読み取ることができる。「山がつ」は卑賤なもの、というだけではなく、神人に近いものとも考えられ、そこに超人的な、そして多面的な光源氏の姿が浮かび上がってくる。