物語の作中和歌――詠者のゆらぎ――
古代文学研究会第二次
「「言の葉」の想像力―歌と物語と史実の交渉―」というテーマでシンポジウムを行い、その際「歌と物語」を担当した発表を元としている。従来、物語の作中和歌については、作中人物の表現として挿入されていると考えられてきたが、必ずしも作中人物に帰属するとはいえない作中和歌が複数存在することを指摘した。特に物語における和歌提示のありかたに注目したうえで、作中和歌の読みの可能性について論じたものである。