救急外来において、小児患者の来院から帰宅までの間に行う看護師の判断と、そこから導かれたケアの実際を記述することを目的に、エスノグラフィーを用いて行った研究の一部を発表した。
看護師は小児の救急外来という場で、様々な親子のストーリーと出会い、自身の持つ価値観とのギャップを感じていたが、そのストーリーを親子固有のものとして了解していた。この了解が、その後のケアの前提になっていた。
子どもの身体状態、親の困りや心配、親子の関係性、養育状況、そして養育スキルの5つの視点で逃さないように、子どもの身体の緊急度だけでなく、親の気持ちの緊急度を見極め、判定していた。そして、援助の次の手を決め、親子の「強み」を‘ Take-Home Message’の形にして持ち帰らせていた。